名詞
クス
クスノキ(樟、楠)は、クスノキ科の常緑高木の1種である(図1)。クスともよばれる。高さ40メートル以上になることもあり、また日本で最も太くなる樹種でもある(幹回り24メートルの記録がある)。樹皮は細く短冊状にやや深く裂ける。葉は互生し、表面は光沢がある濃緑色、裏面は淡緑色、ふつう3本の葉脈が目立ち(三行脈)、その分岐点にはダニ室がある。常緑樹ではあるが、葉の寿命は1年程度であり、春に入れ替わる。花期は5–6月、小さな黄白色の花からなる花序が葉腋につく。果実は液果、10–11月に黒紫色に熟す。日本(関東地方以南)、台湾、中国南部、ベトナムなどの暖地に分布する。古くは樟脳(カンフル)の原料とされ、防虫剤や薬用、セルロイド製造に利用されていた。材は建築材や仏具、家具などに用いられ、厳島神社の大鳥居はクスノキ製である。比較的生長が速く、丈夫なため広く植栽され、特に西日本の寺社にはしばしば大木があり、神木や天然記念物とされているものも多い。
(出典: クス - Wikipedia)