名詞
総督
総督(そうとく)は、集団や領域の統率者(特に軍権を持つ者)のこと。またその職名。日本語での原義は中国史における明・清代の地方長官の職名に由来するが、ローマ帝国の "rector provinciae" や イギリス帝国の "governor" など、君主や本国政府によって任命された、占領地や植民地における最高統治者の定訳として用いられることが多い(一方で選挙などを経て住民によって選ばれる場合は知事と訳される)。以下、日本語で総督とされるものを挙げる。中国の明清代の地方長官の役職名。直隷総督や四川総督など。
日本において幕末から明治初期にかけての軍司令官の役職名。禁裏御守衛総督、東征大総督など。
諸国における海外領土や植民地の統治を行う地方長官に対する訳語の一つ。特に君主や中央政府(本国政府)によって任命されたものを指す。
大日本帝国の植民地長官の役職名。台湾総督、朝鮮総督など。
ローマ帝国の属州総督。
東ローマ帝国の占領地の地方長官エクザルフ(Exarch)。
イギリス帝国の植民地長官ガバナー(Governor)。ニューヨーク総督やジャマイカ総督など。ただし、自治植民地など民主的に選ばれる場合は知事とも訳される。
スペイン帝国やポルトガル海上帝国の植民地長官ゴベルナドール(Governador,Governador)。フィリピン総督やマカオ総督など。
フランス帝国の植民地長官ガバヌーア(Gouverneur)。ヌーベルフランス総督など。
ドイツ帝国またはナチス・ドイツにおける占領地の長官ライヒスコミッサール(Reichskommissar)の訳語の1つ。ポーランド総督など。
ハンガリー王国下のクロアチアのバン(bán)。
ラテン語に由来するヴァイスロイ(Viceroy)の訳語の1つ。直訳では副王。
諸国における本国領内における地方長官に対する訳語の一つ。太守や知事とも訳される。
ペルシア帝国の地方長官サトラップ(xšaçapāvan)。元は征服地における長官であったが、地方長官職の名前として定着した。
オスマン帝国をはじめとするイスラム世界での地方長官ワーリー(Wāli)。
オランダのネーデルラント連邦共和国時代における各州の首長を現すスタッドハウダー(stadhouder)の訳語の一つ。オランダ総督。
イギリス連邦の植民地や自治領(ドミニオン)のガバナー・ジェネラル(Governor-General)。カナダ総督やオーストラリア総督など。
スペイン帝国において新大陸に派遣されたコンキスタドールに与えられた称号アデランタード(Adelantado)の訳語の1つ(辺境総督)。
イタリアの都市国家(ベネチア共和国、ジェノバ共和国)における国家元首を指すドージェ(Doge)の訳語の1つ。
イギリスのロード・レフテナント の訳語の1つ。通常の訳は統監だが、アイルランド総督の例がある。
フランス軍において首都パリの防衛を担う最高指揮官職。パリ軍事総督。
(出典: 総督 - Wikipedia)